2007年8月8日水曜日

表参道ヒルズに悲哀を感じる原宿おやじ

原宿駅の竹下口を出て徒歩数分のところに渋谷区立中央図書館があります。一時期、この図書館に通う日々がありました。大分県から上京したヨーコという彼女と勉強していたのです。もっとも小生の目的が勉強だったのか、彼女にあったのでしょうか?丸い顔の彼女とのファーストキスは明治神宮の池の畔でした。竹下通りが狂乱を具現化した街になる前時代のことでした。

小生が生まれてはじめてピザを食べたのは明治通りと表参道の角の伊レストランでした。高校生のときです。案内してくれたのはユカという原宿に住んでいた中学生でした。彼女はいまどきの中学生と違い、マルクスや毛沢東の著書を読み、自分なりに社会の矛盾を糾弾しようとしていました。真ん中があるから左右があると指摘したら、非常に不快な思いをさせたようです。

サンボマスターが「フォークの神様」岡林信康に影響された話はあまりに有名です。当時を思い出すと、小室等、吉田拓郎、井上陽水、泉谷しげるの全盛期を思い出します。それ以前に、はっぴえんど、小室等などがいました。吉田拓郎が出てくれば「ペニーレインでバーボンを」ですよね。同店で明大の友人とお酒を飲んでいたことを思い出します。原宿は楽しい街でした。

当時の同潤会青山アパートは秘密に満ちていました。大正13年に建てられたソコに入り込むと、西洋のような中庭がありました。都市には枯れた迷路の趣を示す場所があります。素敵な風情はヒトの慣習の果てに醸成されるもので、小生は好ましく見るのです。が、デベロッパーの目には違う言葉が浮かぶようです。そう「再開発」。表参道ヒルズに悲哀を感じる者もいます。


0 件のコメント: