2011年3月31日木曜日

明治を知る「味の萬楽」

味の萬楽(クリックで2段階拡大)
 以前、当ブログに中央通りの老舗「ラーメン松楽」を記述しました。昭和8年創業なので、アキバで最古のラーメン店だろうと考えています。ただ、小生の考えるアキバエリアから、道路一本外れていますが、実は、この「ラーメン松楽」よりも、ずっと以前から営業しているお店があります。ソレが明治45年創業の「味の萬楽」です。場所はアキバの電気街口からガード沿いに御茶ノ水方向に進んでください。石丸電気本店の先の横断歩道を渡ったところに、画像にあるビルを見い出せます。小生が現役店員の頃は、おんぼろ店舗でした。


 現在の「味の萬楽」の売りは、個性的な味の東京ラーメンと中華粥です。以前は老酒、紹興酒など中国酒を揃えたお店でしたが、代が変われば味も変わるものです。でも、素材にパワーを注いでいるようですね。ラーメン(500円)ひとつをとっても、「当店は創業以来、特選生醤油を使用し、豚骨・老鶏・多数の野菜類にて、じっくりと煮込み、清湯スープに仕上げております。昔なつかしい東京ラーメンの味をご納得いただけると確信致して居ます。」なのです。食べると分かりますが、通常の醤油ラーメンとは一線を画しています。


 「味の萬楽」が使用している叉焼は、青森県八戸市の高橋ファームで飼育された無菌豚肉だそうです。コレに10数種の香辛料とザラメ糖などのたれにつけ込み、中火で煮仕みし、焼き込んだ自信作です。皮付きのバラ肉が口の中でとろけます。また、珍しいのが、「中華粥」ですね。600円からありますが、米は新潟県南魚沼郡塩沢農協から直に仕入れたもので、塩は中国産の岩塩、老鶏スープがベースとなっています。乾貝柱・乾蝦の隠し味は横浜中華街の中華粥の名店を彷彿させます。ちなみに、素材は店主が香港などで買い付けてきたものだそうです。一度立ち寄っては?

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2011年3月26日土曜日

貴重な四分の一

愛三電機周辺(クリックで2段階拡大)
 アキバで有名な交差点ならば、あの事件が発生した中央通りと明神下通りの交差点です。時代の流れは景色を変貌させます。小生の現役店員時代、この交差点は日通本社、西村電機、ヤマギワ本店、愛三電機がありました。ソレが現在はどうでしょう? 日通本社は住友不動産ビルに、西村電機は大黒屋に、ヤマギワ本店はソフマップ本館に、変わりました。そうなのです、ただ一つ残っているのが1949年6月1日設立の愛三電機です。ネットワークケーブルに興味をお持ちならば入店してみることをお勧めします。


 愛三電機は、フジクラ、住友電気工業、沖電線、アドバンストケーブルシステムズ、三菱レイヨン、旭硝子、NTT-AT、NTT-MEなど大手数十社の光通信部材、ネットワーク機器の特約代理店だけでなく、自社製ケーブルなども取り扱っています。また、パーツ、スイッチ、ルータ、無線LAN、RFID、光パーツなども販売しています。老舗のお得意さんは実に多彩です。NEC、NTT、KDDI、IIJ、日本テレコム、ソニー、リコーなどの有名企業だけでなく、東大、京大、筑波大、慶応大などの有名大学から研究所、官公庁、大使館まであります。


1949年設立(クリックで2段階拡大)
                                      以前、何かのシンポジウムで河合洋社長のお話を聞いたことがありますが、ソレによれば、アキバは新しい物好きが集まる場所で、以前のアキバでは新しい創造的なビジネスを気軽に始められる空気があるとのことです。なるほど、ご指摘のDNAは現在のアキバに引き継がれていて、昨今のコンセプトカフェ出店ラッシュにも温かい目で見ています。ただし、河合社長は、「近年、巨艦店の進出や地価の高騰で、気軽に創造的なビジネスをはじめることが出来なくなった、環境が変わって心配だ」と危惧していました。なるほど、電気店やPCパーツ店が去った後には、日銭を稼ぐことができる飲食チェーン店がオープンするようになり始めています。

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2011年3月25日金曜日

アキバ以前を知るレザーショップ

 アキバのメインストリートである中央通りで異彩を放っているお店に「唐澤商店」があります。女子美に通っていた過去のガールフレンドはレザークラフトをやっていたので、かつて、このお店を案内してあげたことがあります。その破顔大笑ぶりに驚きました。「す、すごーい、こんなに安いお店見たことなーい」と声を出しました。「どうしてアキバにこんなお店があるの?」「だって、ココはアキバが電気街になる前からあったお店だもん」。若かりし小生が教えてあげました。


唐澤商店(クリックで2段階拡大)
創業は明治33年のレザーショップが唐澤商店です! その頃のアキバは下町商店街であり、その名残が練り物の「構雄三商店」であり、すだれ専門店の「田中すだれ店」です。皮革・靴・靴素材に興味をお持ちでしたら、まず足を運んでみてください。その実売価格は、クラフト関係の有名店と比較したとき、爆安だと理解できるでしょう。店頭では革靴も販売していますし、店内の皮革の豊富なこと。革は小さなハギレ革から大きな1枚革まで揃っています。動物愛護の方々から文句を言われるかも知れませんが、「在るモノは使う」べきです。


 鞄や靴を趣味で作るヒトたちにとって、「唐澤商店」は聖地にも等しい場所です。案内した女性は仔牛の革のカーフを大量に購入しましたが、キップ、ステアも販売してますし、ピッグスキン、ゴードスキン、ラムスキン、シープスキンなども入手できます。ちなみに、本底・中底・月型・先芯・細皮・はちまき・化粧かかとなど、革靴を作るための材料まで揃えています。千代田区の作戦なのか、フツーの街化が進んでいるアキバですが、小生はソレではどこにでもある街になってしまうと考えています。「唐澤商店」のようなとんがったお店を大切にしましょうよ。

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2011年3月24日木曜日

老朽ビルは無事だった

アキバコタワー(クリックで2段階拡大)
 2011年3月11日14時46分、そう、あの地震が発生したとき、小生は自宅で原稿を書いていました。突然、横揺れを感じたかと思うと、デスク近くのペンダント照明が大きく揺れ始めました。隣室にいた娘が、「地震よ」と声を出しました。小生は、「こういう横揺れの地震は長くなるから気をつけて」と冷静に解説していました。「上からモノが落ちてこない場所を確保しなさい」。即、リモコンでテレビの電源オン。報道番組をやっています。落下物に気を付けながら、画面を食い入るように眺めました。そして次に心配したのが、アキバの老朽ビルです。ラジ館は大丈夫か?


 アキバには「震度5の恐怖」というエポックがあって、深夜などに震度5の地震に遭えば、翌日は、売場によって商品が床の上に散乱するのです。今回の地震は、まさに震度5強! 後にアキバで聞いた話では、中古DVDやゲームなどの売場は、まさにそんな状態になりました。ヨドバシアキバのオーディオ売場ではスピーカーが転がりました。アキモバの北川店長は、あまりにキャビネットが揺れるので、身体を張ってソレを守り続けたそうです。テクノロジアの荒井店長も、同様な話をしてくれました。だれに聞いても、「アレだけ長い間揺れたのは、初めての経験でしたね」と話します。


松井ビル(クリックで2段階拡大)
 小生が心配した老朽ビルは、アキバのカオスぶりを象徴する松井ビルとアキバコタワーでした。松井ビルはたちばな書店があるかと思えば地下に坦々麺の「一鳳」、アキバコタワーには「山本耳かき秋葉原総本店」があれば、一回に豚骨ラーメンの「博多風龍 秋葉原店」といった具合……。どちらも小生が現役店員の時代からあるビルで、神田青果市場の資材置き場として使われていました。余震が続く翌日、アキバに行けば、どちらのビルも無事な様子でした。気がかりが消えて安心してラジ館に行けば、なんと休館。こちらは19日に補修して再開しましたが、ブログを休んでいた間に日本大変な時代になりました。地震・津波に被害を受けた皆様に、心よりお見舞い申し上げるとともに、原発問題が早期解決することを祈っております。

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