2008年7月22日火曜日

アキバはどれだけ変わったか? 続・秋葉原(2周目)

さきほどまでアキバにいました。本日は都営大江戸線「上野御徒町」駅から入り。アキバと御徒町は大した距離ではありません。徒歩でせいぜい15分と考えればよろしいでしょう。御徒町側からアキバに入ろうとすると、実売価格を魅力とする複数のお店に立ち寄ることができます。

小規模店が、どうしてヤマダやヨドバシの店頭表示価格を圧倒する価格を提示できるのでしょう? 通常、メーカーは販社を通じて小売店に商材を卸しています。この場合、資本主義の論理に従って価格が決定します。資本主義の論理とは、取引金額・台数に準じるという意味です。

大規模店とメーカー販社との間には、自社商材を保護する協定が結ばれます。もちろん、表立って、そんな協定があることは認めていません。メーカーは自社商材の市場価格を、一定段階に定着させたいと望みます。小売店は競合他店に売上を取られないために、表裏を使い分けます。

ある商品を想定しましょう。メーカー販社は自社の小売店評価基準から、取引金額、取引台数などから卸値を決定します。御徒町から末広町に至る路地裏店は、いわゆる有名小売店の実売価格に負けない価格設定をするために尽力します。現金決済から完全買取などの手法を使って。

まだエグい手法もありますが、それはまたの機会に譲ります。有名小売店と路地裏店のどちらで購入するのがお得でしょうか? 結論は明確ではありません。ポイント還元システムと実買価格、不具合商品に対するアナタの対応要望度などによって異なります。売買は自己責任です。

2008年7月21日月曜日

アキバはどれだけ変わったか? 秋葉原(2周目)

今年に入ってアキバの名前を世界中に広めたのは、6月8日に起きた無差別通り魔事件です。事件前日同時刻、小生は発生現場で取材していました。知己の店員に「最近、とくに売れているものは?」などと、いつも通りの質疑応答を繰り返していました。ソフマップ店頭を見れば、いつものように、複数店員たちの呼び込みの声。

2010年に訪日外国人旅行者数を一千万人にする「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を、官民一体で推進中です。アキバは、このキャンペーンにとって大きな目玉です。世界中で人気を博しているジャパン・コンテンツに関するグッズが揃っている場所がアキバです。高品質のハイテク・グッズを品評できる場所もアキバです。

アキバのホコ天は、度を過ぎた路上パフォーマーも見かけられましたが、その大半は健全なナリキリを楽しむ舞台に過ぎません。ヒトには変身願望があります。コスプレイヤーがナリキリ度を上昇させれば、外国人観光客は「イッショニ シャシン オネガイ」。メイドたちも変身願望の派生系なのです。そんなアキバが一変。

通常の人々は交差点の信号が青になれば、平然と歩を進めます。事件当日も、そうした状況だったと推察できます。しかし、犯人のKは違っていました。そこをクルマで突っ込み、次々と人々を跳ね飛ばし、さらに停車させたクルマから降りた手にはダガーナイフが握られていました。後は、報道された通りです。許せません。

事件後、現場周辺の店員たちを取材しました。古くからアキバで働く店員は、事件に遭われた方々に同情しながらも、ホコ天の行方を心配していました。たった一人の被害妄想者が、アキバを治安悪い場所(警察権力介入)、ホコ天は危険、ダガーナイフは殺人道具、派遣労働者と格差社会の問題、などを提起してしまったのです。