2012年1月30日月曜日

袂を分けても集客仲間


店舗数増加中のムーラン
 エディオンイースト傘下に入る以前の「石丸電気 本店」の向かい側の高架下は、「石丸電気 ゲーム・ホビー館・ケータイ館」でした。当時の歴代本店店長とは、アキバの内情らしきものを共有する仲間として、お付き合いをしていました。金融無策から日本経済は、縮み始めて20年間が過ぎ、かつてはアキバに石丸ありと認知されていた家電量販店が、エイデン傘下に入ったのが2009年2月1日です。エイデンは、同年10月1日に商号をエディオンEASTに変更し、アキバでのれん的価値の高い石丸の店名は、そのまま継続して使っています。
 
呼び込み高性能専用スピーカー?
 一方、高架下の「石丸電気 ゲーム・ホビー館・ケータイ館」なども含めた数店舗はリストラの対象になりました。リストラにより生まれた空白地域を、ささと転生させるのはアキバの真骨頂です。たとえば、ダイドーリミテッドビルにあったDVD/CD店の「石丸 SOFT1」は、 2009年10月17日、「パソコン工房 秋葉原本店」と「フェイス 秋葉原本店」に転じましたし、本店前の高架下は、2010年9月17日、ラムタラ系の中古買取店「Mulan AKIBA(ムーランアキバ)」に変わりました。小生が興味深く観察しているのは、本店とムーランの呼び込み合戦です。なかなか見応えがあります。
 
高額買取いたしまーす!
 ヨドバシアキバができて以来、アキバを訪れるヒトの動線が変化しました。集客パワーからして段違いの巨艦店に、唯一、挑んでいるのが、家電量販店業界のリーディングカンパニー、ヤマダ電機です。当ブログでも、上品とはいえないヤマダとツクモのスタッフによるJR「秋葉原」駅中央改札口付近でのチラシ配りを指摘していても、当事者側から見てみれば、熱意ある行為に他なりません。店舗の売上は集客数に比例することは自明の理で、放置すればヨドバシで完結してしまうかも知れないヒトを、電気街側に呼び込もうとしているのです。この点は賞賛するばかりです。
 
 本店とムーランの立地は、そんな戦いが見えるなか、アキバの一等地との乖離が始っています。ヒトにもよりますが、中央通り総武線ガード下の横断歩道をマツキヨまで渡ったら、東京ラジオデパート前を過ぎ、浜田無線の角で右折するヒトは多いと思います。ソレを何とかしたいとなれば、本店とムーランは、集客(呼び込み)に工夫を加えます。石丸側がタイムセールが始まるとスピーカーのボリュームをあげれば、ムーランも負けじとばかりに高値買取を連呼します。こうした賑わいを見て、リビナのビルをアキバ的な商材を扱う店舗に転じて欲しいと祈り続けています。




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2012年1月27日金曜日

ジャンクヌードルが地味な場所を変革?


「三丁目の夕日64」のリアルビルです
 アキバの昭和通口から徒歩1分の場所に建つ「第二東ビル」が竣工したのは1964年10月です。鉄骨鉄筋コンクリート/地上9階・地下1階で、高層階の坪賃料は一応1万1000円程度、1階部分はその数割増しといったところだと思います。ちなみに1964年10月10日は歴史に刻まれている日でもあります。第18回夏季オリンピック・東京大会、はい、あの東京オリンピックの開会式が行われた日なのです。約半世紀なのに、小生は東京の上空にブルーインパルスが描いた、ちょっと歪んだ五輪の飛行機雲を覚えています。老朽ビルに入りそうでも、この賃料は、JRの駅至近だからですね。


ビルに入るのに勇気がいるかも
 老朽ビルとは失礼でないかと抗議されるヒトもいるかと思いますが、ソレが原因で解体・建設工事に入っているラジ館の築年をご存知でしょうか? 「第二東ビル」の2年前、1962年11月なのです。ラジ館とほとんど変わらない歴史を持つこの老朽ビルですが、ソレでも数多くのアキバ通が数多く通われています。地下1階の居酒屋「村役場」は、パソコン通信時代からのオフ会に利用されてきましたし、FREESPOT設備をアキバで最も早くから導入した場所だと思います。ニフティやアスキーネット関連で、コチラに通われたとしたら、若くても年齢は50代かも知れません。


通路はこんな具合です
地味なビルに二郎呪文と伸びる行列
 1階の「ヒカリカメラ」は、創業1961年というアナログカメラを取り扱う老舗です。入り口近くのショーウィンドウを陶然と見つめている中年紳士が絵になります。いつの間にか、同様の銀塩カメラ取扱店が見られるビルになっています。やはり1階の「ワイケー無線」は、ガード下のラジオセンターから成長した防犯関連電気機器の老舗です。同店に関して、小生はいろいろな噂を聞いています。噂ですので信用しないでください。某国のスパイが定期的にワイケー無線で取り扱う先端機器情報を、大使館を通じて本国に報告しているの類いです。アキバの色濃さを象徴していますねえ。


 いままで地味な存在であった「第二東ビル」が、現在、一部のヒトたちに注目されています。2011年02月21日に、1階のビミョーな(駐車場寄り)位置に開店した「麺処 MAZERU」の行列が、長くなっているのです。二郎インスパイア系“まぜそば”は、事前オーダー制で、ソレを知らなければ、「どう注文するんですか?」と訊きましょう。恥ずかしがることはありません、二郎DNAの野菜、にんにく、からめ、油などのましましトッピングは、しばらく通わなければ、どなたも一瞬ぽかんとするんです。同店の行列の長さは、地味なエリアを再認識させる可能性に満ちています。



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2012年1月21日土曜日

ヤマダの敵はヤマダなのか

このビルにT・ZONEの本店があったのです
 先日、何年ぶりかで旧知と会いました。お互い、アキバに関しては古くからの知識がありますので、待ち合わせた場所は昭和通り沿いの「百飲」です。「飲んで待ってるのに最高の場所じゃん」と選択したのです。ウイスキーのロックを2杯とチェイサーのお水、酒の肴は煮物にしました。信じてください! 支払った金額は300円です。値切っていませんよ。堀留町のビルで経営コンサルタントをしている彼と、現状の家電業界の話になりました。「ヨドバシカメラは強いね」と話す彼に、「未上場の旨味を、あんなにも活用している会社はないねえ」と説明しました。あれれ、国内の家電量販店はヤマダ電機が断トツでは?


 JR「秋葉原」駅、中央改札口のヨドバシ寄りでは、ヤマダやツクモのスタッフが、法律は守っているぜとばかりにビラ配りをする姿を見かけます。ソコまでやるヤマダ電機(ツクモはヤマダ傘下です)は、数字だけ見れば、盤石の業界トップ企業です。小生の集計した家電量販上場企業集計では、ヤマダ電機の売上高は2兆円を超え、第2位のエディオンは8000億円を超えた程度です。第3位のケーズデンキで6500億円程度、第4位のビックカメラが6000億円弱、第5位のコジマが4000億円超といったところです。小生は“ヤマダの敵はヤマダだ”と考えているのです。


パソコンショップの残滓もありません
 かつて、T・ZONEが、そこのけそこのけとばかりに出店ラッシュを仕掛けたとき、T・ZONE.アキバプレース店を取材したことがあります。T・ZONE.ミナミを閉店したばかりの頃です。「本店をココに移して、スクラップ&スクラップを仕掛けるんですか?」と他の取材者なら絶対に口にしない質問をぶつけました。新本店はミナミの斜め前の場所ですが、中央通りの向こう側でもあります。売場面積は693平米、1階と2階の2フロア構成は、どう考えても悪条件立地に規模縮小を重ねたものです。。1階は自作パソコン関連で、2階はナショナルブランドながら、NEC、富士通との取引は無し。


 現在は強大なパワーを誇るヤマダだから急激な変貌を見せませんが、家電製品がECモールで、激安価格で入手できる時代、ヤマダが得意なロードサイド店舗の劣化は回避できません。結果、池袋の日本総本店から始まったステーションサイド戦略を選択したわけですが、コレの巧妙なノウハウを持つのはヨドバシです。T・ZONEはパソコンに特化して日本全国に出店し、地元企業と同じアイテムで勝負してコケました。ヤマダはロードサイドのヤマダをスクラップしながらステーションサイドのヨドバシ、ビックカメラに勝たなければ、株主から“痛く”突き上げられるのです。

2012年1月15日日曜日

「福の軒」は生き残れるかも知れない


替え玉1回しても430円でした
  日経HRが都内の主要大学・大学院に通う2012年3月卒業予定者を対象に、就職活動関連の意識調査をしました。ソレによれば、行きたい業界1位は「商社」、行きたくない業界1位は「フードサービス」でした。毎日のように利用しているであろうフードサービスであるにも関わらず、リアルに働くには厳しいと考えるヒトが多いようですね。政治無策の不況や過剰出店による競争激化が、人件費などのコストカットにダイレクトに跳ね返ると考えたのかも知れません。まっ、外食チェーンの社員が過労死したり、掲示板サイトで劣悪労働環境も書き込まれますから、働きやすいお仕事を選択する気持ちになるのでしょう。

  種種雑多なフードサービス店がアキバで営業していますが、入店すると外国人スタッフが目立つことが分かります。居酒屋、牛丼店、中華料理店などを利用して、ネームプレートを見れば、中国人、インド人、韓国人と思しき名前を見ることができるでしょう。「3K仕事を嫌うような連中を採用したくない」と斬ったのは、IT商社を起こしたワンマン社長でした。あれれ、人気ナンバーワンの商社のはずが、どうして? 「商社の人気が高いのは結構だけど、甘い考えの持ち主ばかりが応募してくるのが困りものだ。国際間の競争に勝つには、海外企業との泥試合に勝つ気構えを持つヒトが欲しいんで、出身校や成績を自慢するようなヒトじゃなんだよ」だそうです。

この場所で生き残れそうな様子です
  商社の顧客には学生たちが「行きたくない」と考えていたはずの、フードサービス業が結構あります。そんな企業の担当になれば、頭を下げて取引をお願いする必要があります。他方、フードサービスとてグローバル時代ですから、海外進出も著しくなっています。大学進学率が50%超という日本ですから、業務の区別を学歴で決めるほうが時代遅れなのです。2011年7月に秋葉原公園近くに開店したとんこつラーメンの「福の軒」は、ワンコインで食べられ、昼食時には行列ができています。同店を経営しているフーデックスグループの代表取締役は、24才でラーメン業に参入し、池袋で「東京とんこつラーメン 屯ちん」を成功させた菅野克弘さんです。

  フーデックスグループは、2012年1月15日現在、「日和田製麺所」「豚骨屋台らーめん 福の軒」「立ち飲み処 かぶら屋」「鮮魚・貝類 丸冨水産」「シュリンプ&シャンパン GINZA ade2 」「ホルモンすきやき 寳の蔵」「紹興酒Bar 上海妃香酒館」にまで業績を拡大させています。ちなみに、紹興酒Barは上海にあります。日本経済の収縮が始まっている時代、フードサービス店で働く外国人スタッフのほうが、ヤワな大卒日本人よりも、ずっと戦力になっています。さらに、上を目指すつもりでフードサービスのノウハウを蓄積すれば、ビジネスの成功につながる可能性があるのです。

狭い店内ですが、2階もあります
  アキバの“福の軒”がある場所は、JR「秋葉原」駅昭和通口改札を出た右側にある秋葉原公園近くです。ココは駅至近の立地なのですが、出店しては閉店を繰り返す都会のエアポケットのような場所です。実際、台湾軽食「秋葉鶏排」、メイドセラピー「Anny」と以前をさかのぼれます。刻み葱、チャーシュー、キクラゲが具の一杯380円の特製ラーメンは、替え玉も50円で、この料金帯の同等店舗との比較ならば“いけてるね”です。紅しょうが、にんにく、オリジナル胡椒などもカウンターにセットされ、別料金のトッピングで稼ぐ作戦も嫌味に感じません。ちなみに、小生が入店しようとしたら、店内から相撲取りが2人、「うまいな」と話しながら出てきたところでした。

2012年1月13日金曜日

アキバの日常に影響を与えている皆様

アキバはエラいヒトが集う場所です
 Twitterに「アキバ21参加の各組合。万世橋地区町会連合会、秋葉原電気街振興会、秋葉原中央通商店街振興組合、秋葉原商店街振興組合、秋葉原駅前商店街振興組合。他にも、いろいろとエラいヒトが多すぎる(足を引っ張る)街なのです、アキバは。」とつぶやいたところ、いろいろなヒトがフォローしてくれたり、お気に入りにいれてくれたり、「この手の情報をもっと教えて」というメッセージも届きました。アキバの表側だけを見ているだけでは、外神田の各店の日常に影響を与えている組織や団体の動きに接することはできない思います。ならば、当ブログにまとめてみましょう。


 まず、地域連携部会「アキバ21」に関して。この構成員は、上記に記載した以外にも、千代田区、警察・消防、町会があります。アキバでは、2008年8月、外神田の魅力や価値を高めるために、「まちの魅力向上に向けた道路等の公共空間活用検討会」が設置されます。あのバカが犯した特異な事件(詳細を書く気になれません)への糊塗が主目的だと指摘します。このときの構成員は、学識経験者、町会・商店街・電気街などの地域団体、企業、警察・消防・行政機関などです。目的は「安全・安心をベースとしたまちづくり」であり、検討会もコレに沿った話し合いをしたのです。


実際の運営を委ねられています
 検討会の意見を受けた具体的な活動をするために、2009年6月、地域連携部会「アキバ21」ができました。防犯パトロール、キャンペーン、防犯カメラの設置などが始まります。さらに、2010年5月1日に、地域の人々や来街者が守る地域の自主ルール「みんなで協力、安全・安心、元気なアキバ」がスローガンの「秋葉原協定」を制定しました。協定に名を連ねた筆頭が“万世橋地区町会連合会”でした。ははあ、どこにでもある町会の集まり程度だと考えるヒトは多いと思いますが、行政には地元民の意見が存外強いのです。バックに区議会議員様が見え隠れするもので。


 ちなみに、万世橋地区町会連合会が束ねる町会は以下の通りです。駿河台東部町会・淡路町一丁目町会・淡路町二丁目町会・須田町一丁目南部町会・須田町中部町会・須田町北部町会・外神田一丁目万世橋町会・神田旅籠町会・外神田三丁目金沢会・神台会・神田同朋町会・宮本町会・外神田三丁目末広町会・神田五軒町々会・外神田二丁目松住町会・外神田四丁目田代会・外神田四丁目松富会・外神田五丁目栄町会・外神田五丁目元佐久町会・外神田五丁目亀住町会、です。お分かりのように、大半がアキバを中心にした地元民が関わっています。居住人口は、ともかくも。


フツーのヒトには区別はできません
 さて、現在のアキバに大きな影響を与えている「アキバ21」構成員は分かりましたが、公安委員会、警察、消防などの存在も忘れてはなりません。法律を背負った施行者たちには、ココには書けない“チクリ”で対処が求められます。小生は当ブログで「秋葉原協定」を個人的に突っ込みましたが、実ビジネスの現場では、チクリは実収入に直結するのです。意地悪電気なる有名店では、他店が新店をオープンさせたり、新装開店すると、神田消防署にチクることで有名でした。「消防法に違反している店がある、対処しろ!」。当該店舗は時間を用して什器移動などをしなければなりません。


 東京スポーツが、2011年12月12日、「アキバのメイド抗争激化」という記事を掲載しました。ネットで「アキバ21」の大塚寛会長の発言が話題になりましたが、地元民のホンネとガハハと笑い飛ばしてあげましょう。記憶しておくべきは、本質のチクリのほうです。万世橋メイド系店舗連絡協議会と非加盟店間のシノギ合いは、数年前からあった事実を取り上げただけです。簡単に斬ってしまえば、秋葉原電気街振興会と非加盟店の構図の焼き直しなのです。ホコ天復活も含めて、深いところで微笑んでいるのは、外神田地区の再編を希望するお役所関連だと指摘しておきましょう。


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2012年1月8日日曜日

アニソンの評価を、さらに高くしなさい

パセラ(裏側)です
 アニソンと聴くと、高尚なクラシックから色濃い演歌までを好む、数多くのヒトが“あんなもん”という顔を作ります。このことは“アキバ”や“オタク”というキーワードに対するソレをよく似ています。小生は思うのです。差別はいけないと言うけれど、差別を助長するのは“知らない”ことが原因なんだと。経済面からアニソンを否定するヒトは、ジュゼッペ・コスタンツオさんや坂本冬美さんの存在を主張するかも知れません。アニソンの市場規模に対する知識不足を露呈しています。また、芸術的な面からアニソンに疑義を問うヒトは、自身の耳目で判断できない、別の意味での“オタク”なのだと思います。  


  安田毅さんは小生のお友達です。「ジャングルウォーズ」「ああっ女神さまっ(OVA版)」「SAMURAI GIRL リアルバウトハイスクール」などを作曲された安田さんは、アニソンに関わるヒトたちの多さを説明してくれました。すごいですよ! 日本のアニソンが世界で受けるのはプロフェッショナル集団の熱意だと分かります。音楽監督以下、アニメの世界感を盛り上げることを目的とした、作詞・作曲・編曲・ビジュアル・効果などの制作集団が集合するのです。もちろん、使う歌手も、アニメのキャラクターに沿って選択しています。考えてみれば(考えなくても)、単に独立した“歌”を超えているんですね。  


アニソンは没入して歌いましょう
  アキバはアニソンが流通する市場でもあります。ゲームやアニメから生まれたアニソンを求めて、あるヒトは中古のCD・DVDを取り扱うショップを訪れますし、別のヒトはアニソンを歌うためにカラオケ店を利用します。海外での日本のアニソンカラオケは、なんと、ローマ字の歌詞を表示します。小生はJAM Projectのファンでもありますが、影山ヒロノブ、遠藤正明、きただにひろし、奥井雅美、福山芳樹からなる彼らを、どうしてもっと高く評価しないのかと嘆いています。世界にジャパニメーションを広めた功労者に入りますよ。You Tubeで、是非、ご覧ください。  


  画像はアキバで“アニソン”に強いカラオケ店「秋葉原パセラ電気街店」(裏側ね)です。パセラは昭和通り側で、以前から営業していましたが、ソチラに通っていたアニソン歌いたちは、2010年11月22日、電気街側にできたことを歓喜したはずです。カラオケ店は、そのノウハウを重ねて、独特なサービスを提案するようになります。パセラは、以前から、そうしたアイデアを強く提案する傾向にあり、電気街店では、ライブ・オフ会・握手会などに「箱貸しプラン」はいかがですかあっとやっています。地下は「BAR RYTHM(バーリズム)」というダーツバーで、マッカランの10年モノを800円で飲めるのが、小生には嬉しいなあ。



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2012年1月7日土曜日

中古ゲーム売買店に脅威を与えたショップ


アトレ秋葉原1の三省堂書店
 三省堂書店は、1881年、旧旗本一族の亀井忠一さんの古書店三省堂書店創業からスタートしました。1884年には出版業(辞書、事典、教科書など)にも参入します。1889年には自社で印刷工場も開設しましたが、個人経営だった三省堂書店の出版・製造部門は「株式会社三省堂」として1915年に独立、法人化します。この会社は、1974年、辞書定価シール貼り事件で50億円の負債を抱えて倒産しましたが、創業者一族は書店経営に専念し、直接の資本関係を解消しました。アトレ秋葉原1にもある三省堂書店は、現在でも、亀井一族が経営しています。2012年1月7日現在の代表取締役社長は亀井忠雄さんです。
 
国内最高売上のブックオフ秋葉原駅前店
 BOOK OFFは、1990年5月、中古ピアノ販売などのノウハウを得た坂本孝さんが、いままでにない中古本販売店を開業したことからスタートします。業績は順調に伸びましたが、世間を驚かせたのは、2007年の創業者辞任です。FC加盟店に什器納入していた丸善から、長期にわたり、合計7億4200万円のリベートを受け取っていたことに対する引責辞任でした。しかし、アキバが生き残っている老舗がそうであるように、BOOK OFFは不況時代に適合したビジネスです。その強さを外部資本は見逃しません。現在の株主構成を見れば、ソレが分かります。筆頭株主の大日本印刷以下、丸善、TSUTAYA、講談社、小学館、集英社などが名を連ねています。
 
中古ゲームソフト売買店にも
フックオフは脅威です
 三省堂とBOOK OFFは、新刊書と古本を取り扱う対極の位置にあります。出版ビジネスは、メディアの多様化により、長期の構造不況に陥っていますが、ビジネスモデルの転換を突き付けたのはインターネットの普及でしょう。ネットの前では新刊も中古もありません。電子書籍という商材も提案されていますが、残念ながら、一部のヒット作品を誕生させる可能性はあっても、ネットに勝てないと小生は考えています。このままでは三省堂もBOOK OFFも共倒れになるやも知れません。もっとも、BOOK OFFではコレを留意した商材の変化を見ることができます。2008年5月に開店したアキバ店は、ゲーム機器を安価に販売する点で、外神田で注目されました。ちなみに、あまり知られていませんが、青山ブックセンターはBOOK OFFの子会社です。


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2012年1月6日金曜日

世界中が“福”を求めている


新年、あけましておめでとうございます。2012年も小生ブログを楽しくお読みください。ご感想・ご要望などがありましたら、mixi、Twitter、Facebookにメッセージ形式で送信してください。できることはやりますし、できないことはやれません。

☆☆☆

2012年も断トツの集客力ならヨドバシアキバ
知らぬが仏という言葉があります。年末年始の商戦は、アキバだけでなく、日本全国の小売店が躍起になりますが、どうして、そうなのかと調べれば、公務員の皆様からのお金が落ちる時期と重なるからなのです。新年の初売りも同様で、封建時代からの風習が現在にまで残存したと考えるべきです。公務員の皆様が働く官公庁は、1980年代まで1月4日が“御用始”でした。いかにもな言葉ですが、現在でも、使う地方があります。以前の初売りは1月4日を意味していました。1月2日に転じたのは、365日24時間営業のコンビニやファストフード店が増えたからです。正月三箇日はお休みという時代が終焉を迎えています。


おいしい福袋は完売です
アキバの老舗に締切を与えたヨドバシアキバは、元旦から高い集客力を見せています。画像のように、ヨドバシ独特の福袋を求めるヒトは、朝イチの電車でアキバに向かい、開店時間前には行列が長く伸びます。この数年間、新商売に定着した転売屋が、アジア人を使って、個数限定品の買占めを試みています。そんなイビツな支援もあるからか、ご覧のように、ヨドバシアキバの福袋は、どれも完売になりました。ちなみに、福袋の発祥は大丸百貨店が江戸時代に端切れなどの袋詰めしたことからです。ヒトは限定品に弱いものです。新年早々の“福”ならばと、中身な何なのかも忖度せずに、財布の紐を緩めるのです。


ココもお正月から満席でした
ヨドバシアキバの福袋はお得感が高いとの評判がありますが、ユニークで存在感を示すアキバのショップもあります。あの“不幸袋”を売るショップではありませんが、福袋には不良在庫の処分という性格を持たせるケースがあります。この場合、ショップの在庫処分だけでなく、メーカーから依頼されるときもあると知っておきましょう。毎年、11月中の商談で、福袋向け商材を相談されるのです。メーカー側も在庫処分を前提にしていますから、利益を前提にしない卸し価格を呈示してきます。あの魔法瓶会社、あの時計会社、あの雑貨会社というように。“あの”の会社名は、皆さんの想像にお任せします。


商売の神様に“福”を求めます
ところで、アップル直営店の「Apple Store」も福袋販売を世界中で展開しています。コレは「Apple Store 銀座店」が、2004年正月に福袋を販売したことに起因しています。日本で好評ならばと、アメリカの旗艦店舗の新規オープンで“lucky bag”なる福袋を売るようになったのです。日本の福袋同様、中身が分からないケースでは“mystery bag”と呼んでいます。2012年のアップル福袋を求めて、銀座店には、極寒にもめげず、前日から並んだ勇者もいたそうです。そういえばヨドバシアキバの福袋を求める常連さんは、「必需品はホカロンです」と笑っていました。春節福袋を売る香港や台湾もありますから、日本発のアイデアもバカにできないと分かります。


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