2012年1月15日日曜日

「福の軒」は生き残れるかも知れない


替え玉1回しても430円でした
  日経HRが都内の主要大学・大学院に通う2012年3月卒業予定者を対象に、就職活動関連の意識調査をしました。ソレによれば、行きたい業界1位は「商社」、行きたくない業界1位は「フードサービス」でした。毎日のように利用しているであろうフードサービスであるにも関わらず、リアルに働くには厳しいと考えるヒトが多いようですね。政治無策の不況や過剰出店による競争激化が、人件費などのコストカットにダイレクトに跳ね返ると考えたのかも知れません。まっ、外食チェーンの社員が過労死したり、掲示板サイトで劣悪労働環境も書き込まれますから、働きやすいお仕事を選択する気持ちになるのでしょう。

  種種雑多なフードサービス店がアキバで営業していますが、入店すると外国人スタッフが目立つことが分かります。居酒屋、牛丼店、中華料理店などを利用して、ネームプレートを見れば、中国人、インド人、韓国人と思しき名前を見ることができるでしょう。「3K仕事を嫌うような連中を採用したくない」と斬ったのは、IT商社を起こしたワンマン社長でした。あれれ、人気ナンバーワンの商社のはずが、どうして? 「商社の人気が高いのは結構だけど、甘い考えの持ち主ばかりが応募してくるのが困りものだ。国際間の競争に勝つには、海外企業との泥試合に勝つ気構えを持つヒトが欲しいんで、出身校や成績を自慢するようなヒトじゃなんだよ」だそうです。

この場所で生き残れそうな様子です
  商社の顧客には学生たちが「行きたくない」と考えていたはずの、フードサービス業が結構あります。そんな企業の担当になれば、頭を下げて取引をお願いする必要があります。他方、フードサービスとてグローバル時代ですから、海外進出も著しくなっています。大学進学率が50%超という日本ですから、業務の区別を学歴で決めるほうが時代遅れなのです。2011年7月に秋葉原公園近くに開店したとんこつラーメンの「福の軒」は、ワンコインで食べられ、昼食時には行列ができています。同店を経営しているフーデックスグループの代表取締役は、24才でラーメン業に参入し、池袋で「東京とんこつラーメン 屯ちん」を成功させた菅野克弘さんです。

  フーデックスグループは、2012年1月15日現在、「日和田製麺所」「豚骨屋台らーめん 福の軒」「立ち飲み処 かぶら屋」「鮮魚・貝類 丸冨水産」「シュリンプ&シャンパン GINZA ade2 」「ホルモンすきやき 寳の蔵」「紹興酒Bar 上海妃香酒館」にまで業績を拡大させています。ちなみに、紹興酒Barは上海にあります。日本経済の収縮が始まっている時代、フードサービス店で働く外国人スタッフのほうが、ヤワな大卒日本人よりも、ずっと戦力になっています。さらに、上を目指すつもりでフードサービスのノウハウを蓄積すれば、ビジネスの成功につながる可能性があるのです。

狭い店内ですが、2階もあります
  アキバの“福の軒”がある場所は、JR「秋葉原」駅昭和通口改札を出た右側にある秋葉原公園近くです。ココは駅至近の立地なのですが、出店しては閉店を繰り返す都会のエアポケットのような場所です。実際、台湾軽食「秋葉鶏排」、メイドセラピー「Anny」と以前をさかのぼれます。刻み葱、チャーシュー、キクラゲが具の一杯380円の特製ラーメンは、替え玉も50円で、この料金帯の同等店舗との比較ならば“いけてるね”です。紅しょうが、にんにく、オリジナル胡椒などもカウンターにセットされ、別料金のトッピングで稼ぐ作戦も嫌味に感じません。ちなみに、小生が入店しようとしたら、店内から相撲取りが2人、「うまいな」と話しながら出てきたところでした。

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