2012年1月21日土曜日

ヤマダの敵はヤマダなのか

このビルにT・ZONEの本店があったのです
 先日、何年ぶりかで旧知と会いました。お互い、アキバに関しては古くからの知識がありますので、待ち合わせた場所は昭和通り沿いの「百飲」です。「飲んで待ってるのに最高の場所じゃん」と選択したのです。ウイスキーのロックを2杯とチェイサーのお水、酒の肴は煮物にしました。信じてください! 支払った金額は300円です。値切っていませんよ。堀留町のビルで経営コンサルタントをしている彼と、現状の家電業界の話になりました。「ヨドバシカメラは強いね」と話す彼に、「未上場の旨味を、あんなにも活用している会社はないねえ」と説明しました。あれれ、国内の家電量販店はヤマダ電機が断トツでは?


 JR「秋葉原」駅、中央改札口のヨドバシ寄りでは、ヤマダやツクモのスタッフが、法律は守っているぜとばかりにビラ配りをする姿を見かけます。ソコまでやるヤマダ電機(ツクモはヤマダ傘下です)は、数字だけ見れば、盤石の業界トップ企業です。小生の集計した家電量販上場企業集計では、ヤマダ電機の売上高は2兆円を超え、第2位のエディオンは8000億円を超えた程度です。第3位のケーズデンキで6500億円程度、第4位のビックカメラが6000億円弱、第5位のコジマが4000億円超といったところです。小生は“ヤマダの敵はヤマダだ”と考えているのです。


パソコンショップの残滓もありません
 かつて、T・ZONEが、そこのけそこのけとばかりに出店ラッシュを仕掛けたとき、T・ZONE.アキバプレース店を取材したことがあります。T・ZONE.ミナミを閉店したばかりの頃です。「本店をココに移して、スクラップ&スクラップを仕掛けるんですか?」と他の取材者なら絶対に口にしない質問をぶつけました。新本店はミナミの斜め前の場所ですが、中央通りの向こう側でもあります。売場面積は693平米、1階と2階の2フロア構成は、どう考えても悪条件立地に規模縮小を重ねたものです。。1階は自作パソコン関連で、2階はナショナルブランドながら、NEC、富士通との取引は無し。


 現在は強大なパワーを誇るヤマダだから急激な変貌を見せませんが、家電製品がECモールで、激安価格で入手できる時代、ヤマダが得意なロードサイド店舗の劣化は回避できません。結果、池袋の日本総本店から始まったステーションサイド戦略を選択したわけですが、コレの巧妙なノウハウを持つのはヨドバシです。T・ZONEはパソコンに特化して日本全国に出店し、地元企業と同じアイテムで勝負してコケました。ヤマダはロードサイドのヤマダをスクラップしながらステーションサイドのヨドバシ、ビックカメラに勝たなければ、株主から“痛く”突き上げられるのです。

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