2010年11月25日木曜日

須田町で時代を遡る

かつては二階で男女がランデブー
 かつて連載していた『日経ベストPC』で、須田町一帯の老舗にお世話になりました。藪蕎麦もそうですが、昭和5年創業の「竹むら」も、奇跡的に戦災に遭わなかった日本建築です。入母屋造り、木造3階建てのどっしりとした建物は「東京都選定歴史的建造物」でもあります。同様の建物が、「いせ源本館」(あんこう料理)、「神田まつや」(蕎麦)、「かんだやぶそば」、「ぼたん」(鳥すきやき)です。どれも都選定歴史的建造物に指定されています。一見の価値ある一画だと思います。
 
「竹むら」の二代目ご主人はPCのマニアでもあり、小生の取材にも快くご協力いただきました。もちろん、取材だけでなく、店内で甘味も食べました。「鬼平犯科帳」などを著した故・池波正太郎は「竹むら」を贔屓していました。その結果、池波ファンが数多く訪れます。実際、店内に入ると、時代を遡った感覚になります。昔しの汁粉屋の雰囲気を醸し出してくれます。寒い季節ならば、「あわぜんざい」を推奨します。もっちりした粟の上に、コクのある自家製のこし餡、煮小豆がとろり。関東風に紫蘇の実の塩漬けが箸休め。


入り口かられきs
 手土産を買うならば、ゴマ油の風味が香ばしい「揚げまんじゅう」を推奨します。手作りのまんじゅうに小麦粉の衣、ソレをカラリと揚げた「揚げまんじゅう」は、油が良いので、食べられる口福を味わえます。もちろん、店内でも食べられます。「竹むら」では店内でお餅を搗いています。冬場の「おぞうに」に、この搗きたての餅が2切れと、かまぼこ、椎茸、三つ葉、海苔が入ります。正当な東京風の雑煮を味わってみてください。有名店ながら、支店は出さず、地方発送も行っていないお店です。あんみつ、くず餅、ところ天もあります。喫茶店ができる以前の若者たちは甘味店でデート(かつてはランデブーと言う時代もありました)でした。

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